僕は新しくて広い家が苦手です。

僕は寂しかった思い出があるから新しくて広い家が苦手。

僕の両親は夫婦で寿司屋を営んでいた。

2人とも夜遅くまで働いているから、夜はひとりで寝る事が多かった。

一人っ子だけど、寂しいとは思った事はない。

学校帰りに店によって、宿題やったり漫画読んだり。

夕飯を店で食べて眠くなったら家に帰って寝る。

そんな感じだった。

店からアパートまでは歩いて5分。

たまに寝てしまった僕を、おんぶして運んてくれたりもした。

優しい記憶。

僕が小学4年の時に突然マイホームがやってきた。
店からは車で30分。

遠いね。

学校は転校、店に寄り道もできない。
首から鍵をぶらさげて誰もいない庭付きの一軒家に一人きり。

広すぎる家は電気をつけるとさらに広くなる。
蛍光灯のジーって音が嫌いでほとんど暗くしていた。

でも静かな時間はキーンと耳に響く。

誰もいないはずの部屋に誰かいたらどうしよう。

お気に入りの場所は子供部屋の押入れ。
電灯を持ち込んでマンガを読んだりして過ごした。

そのまま眠りこけて夜中に目が覚めると、どうしようもない不安に襲われた。

居心地が悪かった記憶しかない。

母親は家が広くなり物で埋めたくなったらしい。

新車にステレオにベット。

でかめの食器棚とダイニングテーブル。
忘れたけど他にもいろいろあった気がする。

新品は無機質で落ち着かない。

アパートに戻りたい。

男の子には「一人で大丈夫?」って聞かないでほしい。
寂しくても「大丈夫」って答えるから。

家とか車とかおもちゃなんかより、
お父さんやお母さんが好き。

でも恥ずかしくて口では言わない。

無理して家を買う人が多いけど、
家なんかより大切なものがある。

どうかそれを忘れないようにしてほしい。

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